第43章 絶体絶命の窮地

あまりに馬鹿げた指示の数々に、福田祐衣はつい冷ややかな笑みを漏らした。

彼女は椅子に深く腰掛け、微動だにせず背もたれに体を預けたまま、意味ありげな視線を田中紗枝に向けた。

田中紗枝の胸中で、怒りの火花が散った。

「何見てんのよ!」

福田祐衣はさらに口角を上げた。

「田中さん、それは誤解ですよ。私は目が不自由な身ですから、何も『見て』などいません」

「っ!」

田中紗枝は荒い息を吐き、忌々しげに福田祐衣の瞳を睨みつけた。

おかしい。確かに調査は済んでいる。福田祐衣は紛れもなく全盲のはずだ。

病院の診断書だって隅々まで目を通した。だというのに、時折すべてを見透かされているような錯...

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